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Showing papers in "Japanese journal of bacteriology in 1996"


Journal ArticleDOI
TL;DR: It is revealed that £1.3bn has been invested in Chinese e-commerce company Alibaba in the past year.
Abstract: 鉄 (イオン) はほとんどの生物の生存と増殖に不可欠な元素である。しかし, 宿主生体における鉄は大部分が結合型やヘム鉄として存在し, 細菌が自由に利用できる遊離鉄は極めて少ない。これは有害な活性酸素の生成防止と共に細菌感染症に対する非特異的生体防御機構の一つとなっている。それ故, 宿主生体中で増殖し得る病原菌は何らかの巧妙な鉄獲得系を保持している筈である。鉄欠乏下に発現する2つの鉄獲得系が明かにされている: 1) Fe3+に高親和性の輸送キレート剤, シデロフォア (siderophore, siderochrome とも呼ばれる) を産生し, トランスフェリンやラクトフェリンに結合している鉄を奪い取り, そのコンプレックスに特異的なレセプターを介して鉄を取り込む系; 2) トランスフェリン, ラクトフェリン, ヘムに結合している鉄をそれぞれに特異的なレセプターを介して直接利用する系。この能力は細菌の生体内増殖を可能にするので, 病原性 (強化) 因子の一つと考えられている。近年, 分子生物学的あるいは分子遺伝学的手法を用いて, これら鉄獲得系の発現調節機構や病原性強化における役割が個々の病原菌についてより詳細に解明されつつある。さらに, 鉄獲得に関与する遺伝子群と共に鉄獲得に直接関係のない病原因子遺伝子の発現も鉄欠乏に呼応して増加し, これに係わる統括的 (global) 調節因子の存在が明かにされた。病原菌の鉄獲得機構の解明は感染症防御のための新たな手段, 戦略を提供する可能性を秘めている。

120 citations



Journal ArticleDOI
TL;DR: Orientia tsutsugamushi とベクターであるツツガムシとの関係について最近の知見を概説した。
Abstract: 恙虫病リケッチア Orientia tsutsugamushi とベクターであるツツガムシとの関係について最近の知見を概説した。すなわち (1) O. tsutsugamushi には各種の血清型が存在するが, それぞれの血清型リケッチアを媒介するツツガムシ種は異なり, アカツツガムシは Kato 型リケッチアを, フトゲツツガムシは Karp 及び Gilliam 型を, タテツツガムシは Kawasaki 及び Kuroki 型を媒介する, (2) リケッチアはツツガムシ体内で共生関係にあり, 雌親ムシから卵を介して子孫に垂直伝播される, (3)ツツガムシの種によってはリケッチアを保有する雌から産まれる子孫は雌ばかりで雄は産生されない, (4) しかし一方でフトゲツツガムシの場合にはリケッチアを保有する雌から雌と雄の両方が産生され, 両者ともリケッチアを保有するが, 雄中のリケッチアは精包形成の過程で排除されて子孫には伝播せず, 雌中のリケッチアのみ子孫に伝播される, (5) 感染した野鼠にツツガムシが吸着してリケッチアを吸入してもそのリケッチアは子孫に垂直伝播される確率は極めて低く, 子孫にリケッチアが伝播されるのは本来リケッチアを保持する家系から産まれたツツガムシに限られる, などについての実験事実を紹介した。

10 citations




Journal ArticleDOI
TL;DR: It is confirmed that £1.2bn will be spent on renovating Wembley Arena in the coming year.
Abstract: 百日咳はワクチン接種の普及により日本では過去の病気となりつつあるが, 予防接種の行き渡らない国々では今なお猛威を奮っている小児の呼吸器伝染病で, 病因的にはジフテリアと同様, 毒素性疾患として理解し得る。最近では伝染源としての成人感染者が問題視され始めたが, 呼吸器感染症の常として根絶は殆ど不可能であり, 感染の予防, 治療に関する研究成果のみが百日咳の制圧を可能にする途である。本小文では, 百日咳菌の産生する病原因子のうち, 感染の第一段階である宿主細胞への菌の吸着に関与する接着因子 (繊維状赤血球凝集素, 線毛, パータクチン) および百日咳症の発現に関与する毒素類 (百日咳毒素, アデニレートシクラーゼ毒素, 気管上皮細胞毒素, 皮膚壊死毒素, 内毒素) の産生, 性状, 作用について百日咳の感染と予防, 治療の観点から最近の知見を中心に概説した。これらの因子の複合作用の結果である百日咳症の理解へ向けての研究が発展し, 成果の生かされる日の近い事を期待したい。

3 citations


Journal ArticleDOI
TL;DR: In this article, the Bacillus cereus (B. cereus) species was found to be beneficial for human skin cancer, and it was identified as a Bacillus species.
Abstract: 嘔吐および下痢を主症状とする2つのタイプに区別される Bacillus cereus による食中毒は, それぞれ本菌が産生する菌体外毒素によって引き起こされる。このうち嘔吐毒素は, 最近その本体が精製され, 構造や毒素の性状が明らかになってきた。これに対し現在までの下痢毒素についての研究では, 本体であるタンパクの分子量や活性などさまざまであり, 本菌が複数の種類の下痢毒素を産生している可能性も考えられる。本稿では, B. cereus が産生する食中毒原性毒素の研究の到達点と問題点を紹介する。

3 citations









Journal ArticleDOI
TL;DR: MRSAの細胞からの薬剤の排出であり, 化学構造の異なる各種消毒剤に対し多剤耐性を示すことが特徴である。
Abstract: 黄色ブドウ球菌の消毒剤耐性株はMRSAの出現とともに報告された。消毒剤耐性の機構はいづれも膜蛋白による細胞からの薬剤の排出であり, 化学構造の異なる各種消毒剤に対し多剤耐性を示すことが特徴である。現在, 消毒剤耐性遺伝子としてはqacA, qacB, qacC (ebr, smr), qacC', qacDがブドウ球菌から, qacFがバチラス属の細菌から, qacE, qacEΔ1, EBRがグラム陰性桿菌から分離されている。qacA/B遺伝子は非常に類似した12回膜貫通型の膜蛋白をコードしており, 高度耐性を示す。他の遺伝子がコードしている蛋白は, 4回膜貫通型の小さな膜蛋白で, 低度耐性を示す。また, これらの消毒剤耐性遺伝子をもった菌株とは異なる, トリクロサン耐性黄色ブドウ球菌株が出現してきている。MRSAに対する消毒剤の使用量が増加するのに伴い, 新たな耐性遺伝子の出現が予想される。


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Shinji Takai1
TL;DR: The future of Rhodococcus equi is in doubt, according to new research.
Abstract: ロドコッカス・エクイ (Rhodococcus equi) は1∼3ケ月齢の仔馬に致死率の高い化膿性肺炎を引き起こす細胞内寄生菌である。近年, ヒトAIDS患者において結核と酷似した臨床症状を示す日和見感染症の原因菌として注目されている。最近, 私たちはロドコッカス・エクイの致死毒性が病原性プラスミドに規定されていることを明らかにした。仔馬の本症は毒力関連15-17kDa抗原を発現し, 85kb或るいは90kbの病原性プラスミドを保有する強毒株 (マウス50%致死量=106) によって引き起こされる。一方, ヒトの感染症由来株では強毒株に加え, 新たに毒力関連20kDa抗原を発現し, 79∼100kbの病原性プラスミドを保有する中等度毒力株 (50%致死量=107) が認められた。これら病原性プラスミドの脱落は, 毒力関連抗原の発現とマウス致死毒性を完全に消失させた(50%致死量>108)。本稿では本菌の病原因子に関する私たちの研究の経緯を仔馬とヒトの感染症の2つの観点から纏めた。

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TL;DR: It is claimed that 2.5 million people in the world have never heard of a person called “China” before.
Abstract: 大腸菌をはじめとする様々な細菌に, 2成分制御系を介した情報伝達系が存在することはよく知られた事実となっている。最近, この制御系が酵母や植物にも存在することが認められ, その普遍性も注目されている。これまで主に, 個々の外部刺激に応答した細胞応答の研究の中から見つかってきた2成分制御系は, 基本的には1つの刺激への個別応答に関与しているものとして考えられてきた。しかしながら細胞を取りまく複数の外部環境要因は複雑に変化しているので, 細胞はこれらを整理統合しながら, より高度に応答していると思われる。このような複数の情報の統合を行う可能性があると思われるセンサーキナーゼの存在も明らかになってきた。ここではこれら2成分制御系の概略と, 我々が解析を進めてきた浸透圧に応答した大腸菌の外膜タンパク質遺伝子の発現調節機構を例にとりながら細菌の環境応答に関して紹介する。これらは病原性細菌の環境応答を考える上でも重要と思われる。


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TL;DR: In studies of in vitro bile acid transformation by lactic acid bacteria, it would be necessary to distinguish between the production of free secondary bile acids by bacterial deconjugation and that by 7 alpha-dehydroxylation.
Abstract: In the course of studies of in vitro bile acid transformation by lactic acid bacteria, we noticed that the medium used contained conjugated bile acids. HPLC analysis of the medium for each component indicated that these bile acids had originated from a peptone (Bacto Peptone, Difco). The concentration of these bile acids in a medium containing 2% Bacto Peptone was greater than 200 microM, higher than the concentration of bile acids usually added in in vitro bile acid transformation studies. Therefore, in such studies, it would be necessary to distinguish between the production of free secondary bile acids by bacterial deconjugation and that by 7 alpha-dehydroxylation. Since bile acids affect not only bacterial growth but also many metabolic activities, particular attention should be given to the use of Bacto Peptone in the medium.